ソーシャルレンディング

知らなきゃ大損するソーシャルレンディング4つのリスク

新たな金融商品として話題のソーシャルレンディング。「融資型クラウドファンディング」と呼ばれることもあるので、クラウドファンディングと似たイメージを持つ人も多いかも知れません。

事業展開のため新たにお金を必要とする人と、お金を貸して利益を得たい投資家とをソーシャルレンディングのサイト上で結びつけるユニークなシステムとなっています。

本記事では、ハイリターンの期待できる投資の新しい手法として利用者が増えているソーシャルレンディングのリスクについてご紹介していきます。

ソーシャルレンディングとは?

貸主と借主をネットサービスでつなぐ

ソーシャルレンディングとは、企業や個人と市場の投資家をインターネットのプラットフォームで結びつけて融資が行われる金融サービスの仕組みです。

「新しい事業を思い付いたものの資金が足りない」
「今の事業を維持するため運転資金が欲しい」

こうした企業や個人の中には、まとまった資金を必要としても、銀行など金融機関からの融資が難しいケースも少なくありません。

一方で、ユニークな事業や社会貢献につながるプロジェクトに投資して、リターンを期待しながら応援したいといった投資家もいます。

これまで、こうした両者を結びつける仕組みはほとんどありませんでした。そこで登場したのがインターネットのサイトで借りたい人と貸したい人を集めて融資を結ぶソーシャルレンディングです。

ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一種に分類されます。クラウドファンディングにはリターンやリスクによっていくつか種類が分かれますが、一般的にイメージされるものは、「購入型クラウドファンディング」と「寄付型クラウドファンディング」です。

どちらもプロジェクトに賛同する支援者から出資を募って、資金を集めます。購入型は出資額に応じて、プロジェクトで生まれる商品やサービスを後日手に入れられるもので、寄付型は募金のようなスタイルで見返りは原則ないサービスです。

一方で、融資型クラウドファンディングと呼ばれるソーシャルレンディングでは、プロジェクトに賛同する支援者から資金を集めるところまでは購入型または寄付型クラウドファンディングと共通していますが、返済時に元本と利息を受け取る点が特徴です。

そのため、クラウドファンディングの中でも株式や投資信託のように金融商品の性格が強いため、投資には一定のリスクがともないます。

  • 想定していた利息が受け取れなかった
  • 元本割れになった
  • 利息どころか元本すら返ってこなかった

など、最悪のケースでは元本が戻ってこないリスクのある投資手法となります。

では、ソーシャルレンディングがなぜ今人気になっているのでしょうか。そのメリットからご紹介しましょう。

ソーシャルレンディングのメリット

ここからはソーシャルレンディングが持つメリットを6つに分けてご紹介します。

メリット1 ハイリターン

ソーシャルレンディングの大きな特長は利回りが高いハイリターンの金融商品であることです。年利回りは低いものでも数%。高利回りにもなると10%を超えるケースも少なくありません。

銀行の金利がゼロに限りなく近い状態が続いている今、それだけ高い利回りに目を疑う人もいるかもしれませんね。

なぜ超低金利の時代にこのような高利回りが実現するのでしょうか。

ソーシャルレンディングは、インターネット上で投資を希望する個人から資金を募集します。その資金を企業に貸し付けるとき、銀行よりも高めの金利を設定します。そのため、満期時に元本と一緒に返済される金利も高くなるので、運営業者の利益を差し引いても高い想定利回りを受け取れるしくみとなっています。

もちろん、ソーシャルレンディングも一般的な金融機関の融資と同じようにプロジェクトの実現性や企業の運営状態は審査が厳しく行われます。ただ、資本金や創業年数といった部分は比較的ゆるやかな傾向が。そのため、ある程度返済のリスクが見込まれるため、高利回りを設定。個人投資家の投資のハードルを下げているというわけです。

メリット2 時間や手間のコストが低い

ソーシャルレンディングの運用方法はとてもシンプルです。プロジェクトに出資するだけで、運用期間が終わるまで待ち続けるだけでハイリターンの投資ができます。そういう意味では、投資信託や公社債と似ているといえるでしょう。

これが、デイトレードのような株式やFXでは、次々と変動する相場に合わせて取引を続けなければ、利益は見込めません。運用手法によっては一日中、常にレートと発注画面とにらめっこという投資家もいます。

一方で、ソーシャルレンディングは資金提供してから、デフォルトが起きない限り、何もしないまま満期を迎えると、利息とともに元本が償還されます。投資さえしておけば、あとは待つだけという手間いらずの投資方法なのです。

メリット3 デフォルトリスクが低い

2018年1月25日現在、クラウドポートの調べによるとソーシャルレンディングのデフォルト(貸し倒れ)率は過去3年間で1.47%。ハイリスクと呼ばれるわりにリスクはかなり低いといえます。

ソーシャルレンディングの中には、プロジェクトの対象となる不動産などを担保にしたり、企業の保証付きのファンド案件も登場していて、安心度の高いものが増えています。

また、万が一デフォルトが起きた場合、ソーシャルレンディングのサービスを運営している会社は速やかに資金の回収や担保の確保・売却を試みて、できるだけ融資資金を保全できるように努めるルールにもなっています。

メリット4 短期運用も可能

ソーシャルレンディングの運用期間は1年から2年のものをよく見かけます。したがって中期的な投資に向いた金融商品です。

ただし、最近は1年以内のファンド案件も登場していて、中には3ヶ月といった短期運用に適したものもあります。ハイリターンを短い期間で狙いたい投資家にもソーシャルレンディングはおすすめの選択肢の一つといえますね。

メリット5 少額投資が可能

最小投資単位は1万円〜2万円のファンド案件が大半です。レアなものになると1円から投資できるプロジェクトもあります。

1万円なら株式や投資信託の積立感覚で利用できるので、初心者でまずはソーシャルレンディングの感覚をつかみたいといったニーズにも応えてくれるでしょう。

メリット6 投資経験による差が少ない

ソーシャルレンディングは、資金提供をすればその後はプロジェクトの運用状況を見守るだけ。株式デイトレードやFXで必要な株価や為替といった相場変動に合わせたこまめな取引の必要はなく、満期まで待てば高利回りのリターンが見込めます。

ファンド案件選びではプロジェクトの特徴や運用方針などをチェックしなければならないので、判断に投資経験や知識が必要になるものの、一度出資すればあとは個人の運用手腕から離れたところで運用利益が決まるので、初心者でも気軽に投資できる金融商品だといえます。

ソーシャルレンディングのリスク

ここからは、ソーシャルレンディングのリスクを4つのデメリットで見ていきましょう。

デメリット1 デフォルトリスクがある

ソーシャルレンディングの最大のリスクは貸し倒れ、いわゆるデフォルトが起こることです。融資したプロジェクトの支援先の企業や個人の運用失敗で元本が返済されず、損失が出る可能性があります。プロジェクト自体が立ちゆかなくなった、借り主の企業の倒産や行方不明など、デフォルトが発生する原因はさまざまです。ソーシャルレンディングの場合、担保付きのファンド案件以外は元本割れで一切お金が戻ってこないリスクを念頭に置く必要があります。

デメリット2 流動性リスクがある

また、資金提供後、運用期間中の途中解約はできません。一度投資すると、満期を迎えるまで資金の引き出し、契約の解約はできません。

もし他のファンド案件や金融商品でもっと有利なものが見つかっても、投資期間が終了するまで待たなければなりません。投資家の資金状況によっては「ここぞ」という投資チャンスを生かせない可能性も生まれます。

運用期間中の引き出しはできない前提で、他への投資余力を残すためにも、余剰資金の一部を投資することをオススメします。

デメリット3 早期償還・返済遅延リスクがある

早期償還とは、当初ファンド案件が設定していた運用期間よりも早く全額返済されることです。借り主が早めに返済してしまった場合、イメージよりも投資期間が短くなるため、見込んでいた利回りが期待できない可能性も大きくなります。

その一方、借り主のプロジェクトの運用によっては返済日が遅れるケースもあります。返済遅延と呼ばれていて、運用期間が延長されるため満期で投資した元本や利息を受け取れず、資金が宙に浮いた状態が続いてしまいます。

運用期間の短縮や延長は、ソーシャルレンディングのファンド案件で珍しくないため、流動性を考えた資金を投資する場合は慎重に分析することが大切です。

デメリット4 事業者の倒産リスクがある

融資した借り主のプロジェクトがうまくいっても、元本や利息が受け取れない場合があります。それは、ソーシャルレンディングのサービスを提供している運営会社自体の倒産です。

ソーシャルレンディングでは、運営会社がインターネットを使って投資家の資金を預かって支援先に融資。運用期間後、利息とともに元本の返済を受けて、投資家に返済します。

ただし、このプロセスの途中で万が一運営会社の経営が悪化したり、会社そのものが倒産したりすると、投資資金の返済を受けられる可能性は非常に低くなります。

ソーシャルレンディングはまだ業界自体新しく、運営会社の中には経営基盤が安定しないところも含まれます。事業者自体の倒産リスクも含めてソーシャルレンディングの投資を判断する必要があるといえるでしょう。

失敗しないソーシャルレンディングのはじめ方

ソーシャルレンディングのように新しい投資手法をはじめるときには、情報収集が欠かせません。まずは、インターネット上で利用する運営会社とファンド案件を選ぶところからはじめましょう。

ソーシャルレンディングに投資するまでの大きな流れは次の5ステップです。

ステップ1 運営会社を探す

ソーシャルレンディングのファンド案件を取り扱う運営会社は増えています。

選ぶときのポイントには、

  • どのようなファンド案件に強いか
  • 実績は出ているか
  • 企業の経営状態は良いか
  • デフォルトは起こしていないか

といったあたりが基本です。

運営会社の情報はソーシャルレンディングの情報サイトをはじめSNSなどの口コミでも入手できます。

ステップ2 ファンド案件を探す

気になる運営会社が見つかったら、提供しているファンド案件から自分のニーズにあったものを選びましょう。

  • 人気はあるか
  • 同じようなファンド案件で実績を出しているか
  • 最低投資金額はどのくらいか
  • 運用期間はマッチしているか
  • 見込み利回りはどのくらいか
  • 担保や保証はついているか

ファンド案件の詳細ページには、プロジェクトの内容や融資先、運用方針やリスクまでさまざまな情報が掲載されています。いずれも投資判断に大切なものなので、必ずチェックしましょう。

ステップ3 口座を開設する

ファンド案件が決まったら、運営会社で口座開設を申し込みましょう。

運用会社の公式ホームページから簡単に登録できます。口座開設後、入金してから申し込みが正式に完了する場合が多いので、気になるファンド案件があって申し込み期間まで日がない場合は急いで口座開設手続きを進めてください。

ステップ4 本人確認書類を送る

口座開設の手続きの中で本人確認書類のやりとりが必要です。公式ホームページの申し込み画面から画像データでアップロードすることもできます。

運営会社では本人確認書類の確認も含めて申し込み内容を審査後、運用画面のログインIDとパスワードを簡易書留ハガキで自宅に郵送するケースが大半です。

ステップ5 入金&ファンド案件投資

IDとパスワードで運営会社の取引画面にログインしたら、口座残高に投資資金を入金します。希望投資金額以上の残高がないと投資できないため、ファンド案件の出資金額以上の入金をしておきましょう。

申し込み後完了したら、あとは満期を迎えるまで待ちます。

ソーシャルレンディングのリスクや失敗に関するよくある質問

質問1 デフォルトと元本割れは同じですか?

基本的に、融資先の企業や個人が返済できなくなって貸し倒れすることをデフォルトと呼んでいます。元本割れと同じように使われますが、まだ出資金が多少でも返ってくる元本割れに対して、貸し倒れは一切元本も利息も返済されない状態を指すことが多いようです。

ソーシャルレンディングでは最悪の場合、元本割れになるリスクがあります。利息が受け取れない、元本が目減りする、元本自体返ってこない可能性がある点をふまえて投資を判断しましょう。

質問2 同じ運営会社に投資したいプロジェクトが複数あるのですが、集中させてもいいでしょうか?

ソーシャルレンディングはハイリスク、ハイリターンの投資です。そのため、ファンド案件だけでなく運営会社もできるだけ分散させてリスクを抑えるのが基本です。

もし同じ運営会社でいくつかのファンド案件を投資したいなら、1ファンド案件あたりの投資金額を少なくする、これまでの実績が高いものから優先して選ぶなど、リスク分散がおすすめです。

ファンド案件そのものが失敗するだけでなく、運営会社の倒産リスクもあります。資金を集中させるのではなく、運営会社もいくつか口座開設して使い分けるのがベターです。

質問3 運用期間は短い方が有利ですか?

ファンド案件によって運用期間は3ヶ月、1年、2年などさまざま。運用期間が長い方が高い利回りが期待できるものの、満期まで資金を現金化できない、万一のデフォルトのリスクが高くなる、といったデメリットもあります。

とくに初心者で手堅く投資をしたいなら、少額から短期間で申し込めるファンド案件がおすすめです。長期のファンド案件は短期ファンド案件でプロジェクトを見る目や運用会社の実績がしっかり判断できるようになってからチャレンジするといいでしょう。

まとめ

ここまで読者のみなさんにソーシャルレンディングには、さまざまなメリットやデメリットがあることをお伝えしました。

ソーシャルレンディングは高い利回りが期待できて初心者でも気軽に投資しやすい反面、貸し倒れのリスクがあるハイリスクの投資です。

デメリットもきちんと押さえた上で、大損や失敗などしないように慎重に投資判断をしていきましょう。

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