ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングは危ない?貸し倒れを防ぐ3つのポイント

クラウドファンディングが世界で注目を集めています。

事業単位で投資を行えるソーシャルレンディングは、金融サービスの一環としても利用者が拡大しています。

しかし、世間一般では、貸し倒れや事業者の悪質事案などで、イメージが悪化しているのも事実です。

そこで、今回の記事では、ソーシャルレンディングに対する危険なイメージが正しくないことを知ってもらい、貸し倒れを防ぐ投資の仕方について解説します。

それでは、いってみましょう。

ソーシャルレンディングとは?

ソーシャルレンディングは、企業が個人から融資を募って事業を始めるインターネットを活用したマッチングサービスのことです。

金融機関から融資を受けるのに比べて、ソーシャルレンディングは取り組む事業内容や利回りなどを見た個人が小額から投資できるところにあります。

借りたお金は、金融事業者がまとめて企業に貸し付けて、そのまま事業の運営資金として使われます。

例えば、設備事業者がソーシャルレンディングで募集した場合は、納入する施設設備の仕入れの資金を3~4ヵ月間だけ預かり、運用して利率を合わせた金額を貸主に返還します。

事業者は資金として資金を用立てできる代わりに、貸し主(個人)は預金の利率よりも大きな利回りを得られるのです。

利回りで投資を判断する

ソーシャルレンディングの利回りは、募集する事業の内容や規模にもより、一般的に約3~10%です。

具体例として、ゆうちょ銀行の通常預金では、10万円までの範囲で、0.001%~0.010%の利率しかえられません。

他の都市銀行やメガバンクなどでも利率に大差はありません。これと比べてもソーシャルレンディングが破格の3%を超えた利率であることが分かるでしょう。

クラウドファンディングからソーシャルレンディングを理解する

ソーシャルレンディングを詳しく知るには、クラウドファンディングについて理解する必要があります。

ソーシャルレンディングは、クラウドファンディングの投資型(貸付型)や融資型に位置する方法で、英語でSocial Lending、あるいはp to p lendingと呼ばれます。

つまり「lend(=貸す)」ことを前提としたクラウドファンディングサービスです。資金を集めるときは、金融事業者が間に入って仲介します。

要するに、企業・個人・金融の3キャストがソーシャルレンディングの仕組みを支えています。個人が貸し、金融が集め、企業が運用するのです。

ソーシャルレンディングをしたい個人は、この金融事業者の専用口座を開設して、投資を行います。

口座を作るための提出された書類が受理されて、正式に口座からソーシャルレンディング用の送金を可能にします。

貸し金との違いは?

本来、金融事業者の貸し付けは、法律上、出資法で規制されるものです。

ですが、貸付をするのはあくまでも金融事業者であって、貸し手の個人単体ではありません。

そのため、一度、口座に資金を預けて、金融事業者が収集してまとめた資金を貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)として、企業に渡しているのです。

これに近いのは株式投資です。ただし、株式には事業者側の運用期間制限(5ヶ月間など)は存在しません。

株を売るタイミングは、個人で決めることができるのが大きな違いです。

最近では、ネット株も注目されていて、以前ほど証券会社で取引をすることが減ってきました。

それには、ソーシャルレンディングでも使われているシステムもインターネット上で株やFXの取引ができるようになったことが新たな形で投資に貢献しているのです。

金融機関から融資を受けないワケ!

では、そもそもなぜ企業は、銀行などの金融機関から直接資金を借りないのでしょうか。

その理由は、ソーシャルレンディングでないと資金が集められない会社が存在するためです。

例えば、集める金額が少なすぎて、融資を受けるまでもないが、資金は必要なケースです。

それから、会社の提示した事業の成功見込みや事業計画が金融機関側に十分だと判断されず、融資を受けられなかったケースも含まれます。

上記の2ケースでは、何かしらの理由で金融機関からではなくソーシャルレンディングで資金を集めるのがベストと判断された事業です。

確定申告は必要か?

次に、貸主である個人の収入に関連したポイントを押さえましょう。企業や金融事業者は、お金を借りたり、集金してまとめて企業に貸し付けたりしています。

ところが、個人は、得られた利回りを、利益として受け取るので、貸し出した以上の額が収入の課税対象です。

したがって、貸主である個人は、運用期間が終わり、返金された時点で、ソーシャルレンディングによる利回りの収入を得たと判断されます。

企業に勤める人で働いた収入は給与所得にかかる税が会社から納められています。

それに対し、ソーシャルレンディングの元本を超える収入は、雑所得としてカウントされます。

ただし、すでに年末調整をした企業に勤める人で、雑所得が20万円を超えなければ確定申告は必要ありません。

ただし、条件によっては申告義務が発生する方もいるので注意しましょう。

例えば、医療控除を受ける方や2千万円以上の年間所得が発生している方などです。

そのうえ、所得税法は改正されると、雑所得の条件が変わるなどして申告が必要など、条件が変更される可能性もあるので、いずれにしても確定申告をするかどうか判断の際は注意が必要です。

源泉徴収と控除の基準を知る

確定申告した収入は、雑所得として処理されます。

ですが、基本的に所得から税金が徴収される場合、日本では源泉徴収による20%前後を課税対象の税金として支払います。

一例として、所得税が15%、住民税が5%といった具合です。

源泉徴収は、受け取る側の事業者に税金を代わりに支払う方法で、確定申告すれば超過した支払いを税務署から返還してもらうことができます。

実際は、2~3事業で利回り額が20万円に達しない納税不要な方は、控除されるので申告についてそれほど悩む必要はありません。

源泉徴収で取り戻したい人は、申告すると取り戻せるくらいに考えるとよいでしょう。

一方、ソーシャルレンディングで多くの事業に大規模投資している方は、利回りから得られる金額がいくらになるかによって、確定申告をするか判断します。

ソーシャルレンディングのリスク

ソーシャルレンディングは高い利回りが得られる一方で、いくつかのリスクが存在します。

まず、ソーシャルレンディングを金融事業者が行うためには、「第二種金融商品取引業」の登録が必須です。

そのため、資格を持たない自称金融事業者が、資金を集めて、それを返金しないというトラブルが報告されています。

金融事業者が資格を持って運営していたとしても、借り手である企業が、返還を渋ることもあります。以上から、貸し手にとって、返金されないなどのリスクが存在します。

リスク1:元本割れ

投資によくあるのが元本割れです。元本割れのリスクがある金融商品にはFXや株などがよく知られていて、ソーシャルレンディングもその1つです。

そもそも出資法が適用されるソーシャルレンディングでは、借し手(個人)に金融事業者が元本を保証して集金することは法律的に禁止されているので、制度上の内在リスクとして必ず元本割れが存在します。

リスク2:満期まで解約できない

ソーシャルレンディングの場合、個人にどのような事情があったとしても一度投資すれば、満期まで返金を求めることができないリスクが存在します。

株やFXでは、売買することで、投資の中止(解約)をして、資金を取り戻すことができます。

しかし、あらかじめ期間と利率が決められたソーシャルレンディングでは、解約申請を一切受け付けないのです。

そのため、株式売買によって利益を得るキャピタルゲイン(売値・買値の価格差を利用して株の売買で利益を得ること)も存在しません。

リスク3:投資の際に情報が少ない

ソーシャルレンディングの欠点の1つでもある、事業会社の詳細情報が得られない損失リスクがあります。

投資先を決める時に、株式会社を財政状況や事業内容を総合して判断するといった投資家の判断ができません。

貸し倒れを防ぐポイント

投資先を間違えると企業倒産のリスクや貸し倒れリスクも最悪の場合は覚悟が必要です。

ただし、ソーシャルレンディングは小額投資のできる金融商品です。金額を抑えて、そのメリット込みでリスク分散できるのが特徴です。

ポイント1:資産運用はソーシャルレンディングが妥当か判断する

自分の口座などから余剰資金を使って投資をする場合は、ソーシャルレンディングが1つの選択肢です。

利回りが大きくて、途中経過(値動き等)を確認する必要がない。小額投資ができるので大きな金額を動かしたくない人に向いています。

ただし、貸し倒れのリスクを防ぐために、投資でソーシャルレンディングが妥当かどうかは個人の判断にゆだねられます。

株、外貨や不動産など投資分野はたくさんあるので、いきなりソーシャルレンディングに大金を即決投資するのではなく、どの投資先を選ぶのかは十分に検討しましょう。

ポイント2:分散投資

貸し倒れを防ぐポイントは、ソーシャルレンディングそのものを避けるのではなく、複数の事業に分散投資するなど、投資の仕方に気をつけることです。

例えば、ソーシャルレンディングは小額投資で3万円や5万円のケースがほとんどでしょう。最少額の費用であれば1万円からも可能です。

むしろ、人気のファンドは募集する金額に達してしまうと締め切るので、優良な募集に確実に投資できるかで事情は大きく変わってきます。

それをいきなり初心者の方が判断するのも難しいので、各事業募集に分散して投資するのが安全です。

これなら、貸し倒れになった場合も最小限の損失で抑えられます。

また、同じ企業内の複数事業に投資するのは避けて、なるべく別の企業の異なる事業に投資すれば、会社が倒産してまとめて貸し倒れになるリスクを防ぐことができます。

ポイント3:虚偽の説明から貸し倒れを防ぐ

金融事業者は優良なところもあれば、悪質な事業者に口座を作って投資してしまうこともあります。

例えば、2019年に起きたmaneoの事件では、身内のグループ会社に集めた資金を流用していたことが発覚して、行政処分を受けたのはニュースなどでも大々的に取り上げられました。

悪質な事業者の手口としては、虚偽の情報を提示する、募集そのものが嘘だったなどです。

このような事業者は資格登録が取り消されるなどの厳しい処分を受けています。

実際、maneo事件のケースでは弁護士を立てた被害者たちによる集団訴訟が発生しています。

事業者側の虚偽説明(別の事業に資金を流用していた疑い)による資金の返還請求を訴状の中で訴えていることは、ソーシャルレンディングにリスクが存在していることを示しています。

悪質事案を事前に完全予防する方法はありません。

しかし、最低限、貸し倒れによるトラブルが少ない事業者を選んで、評判などからもどこの金融事業者に仲介してもらうかを決めましょう。

よくある質問

ここでは、ソーシャルレンディングに関するよくある質問に回答します。

元本以上の費用を請求されないの?

ソーシャルレンディングは、損失リスクに限っていえば、株に近い性質を持ちます。つまり、会社が倒産してもリスクを負うのは元本まで、残りの損失を後から請求されることはありません。

FXの場合、レバレッジなどで、元本以上の損失が生じる可能性があります。ソーシャルレンディングは単純にインカムゲインなので、FXのようなキャピタルゲインで生じる過剰なリスクが存在しません。

ただし、事前に投資する際の手数料や口座の取得にかかる費用があるので気をつけましょう。

どこに投資すれば正解?

ソーシャルレンディングには投資先の正解はありません。ただし、利用する場合はいくつかのメリットがあって、その恩恵を受けられます。例として、選ぶ際に利回りを重視して選択すれば、預金で得られない大きな利回りによる利益を得られる可能性があることです。

上記に加えて、初心者から上級者まで、投資の経験値やレベルに関係なく、一定の利益を得られる点も大きなメリットです。投資家としての経験の差が出やすい投資と比べると小額投資希望の初心者に向いています。

以上を理解して、複数の事業に分散して投資を行えば、絶対の正解はなくとも、リスクを避けて利回りを得られるのです。投資先を選ぶ際のポイントとして押さえておきましょう。

税制上の負担が大きいって本当?

はい、雑所得が適応されるソーシャルレンディングでは、額が小さくても少額投資非課税制度が適応されないので、通常、20%前後の税金が課されます。

最近ではソーシャルレンディング以外でも投資に近い形態の「ビットコイン」収入などにも税金が雑所得で適応されるなど、金融商品のトレンドに制度が追いついていない場面があります。

まとめ

今回は、ソーシャルレンディングの概要や貸し倒れのリスク要因などについて取り上げました。

ソーシャルレンディングには、向いている投資の仕方があり、資金を大量に流して、大きな利益を得るよりも、安定して元本割れのリスクを最小限に抑えた投資が向いています。

これからソーシャルレンディングの利用を考えている人は、本記事のポイントを押さえてください。

悪い金融事業者に注意して、この投資の特徴やメリット・デメリット、貸し倒れなど考えられるリスクを見極めて口座を作り、最終的な自己判断と責任において投資しましょう。

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